自己点検?評価報告書(伴 恒信)
報告者 伴 恒信
1.学長の定める重点目標
1-1.大学教員としての授業実践
(1)目標?計画
(2)点検?評価
上述のサービス?ラーニングの一環として地域社会の教育に実践的に関与し奉仕する方法論を授業の中で提示してきた。フィールドワークにつながる具体的で実践的な内容は、受講者の教職意識と意欲の向上に寄与し、そのフィルド観察研究の方法論を用いて実際に修士論文の作成に当たり、助言を求めてきた学生もいた。
1-2.大学教員としての社会貢献
(1)目標?計画
日本子ども社会学会理事会より、平成21-22年度の学会共同研究「子どもの抱く達成動機?自尊感情に関する国際比較研究」の研究代表者への就任要請があり、平成22年度の日本、中国、韓国での調査実施に向けて質問紙の検討および準備を鋭意進めてきた。学会を代表してその研究成果を挙げることが、そのまま明確な社会への研究活動の還元であり、貢献であると考える。
(2)点検?評価
日本子ども社会学会の共同研究については、平成22年9月に日本と中国、そして11月に韓国で質問紙調査を実施し、同年12月に本学で開催された「第4回日中教師教育学術研究集会」の折に日本と中国の調査結果を報告した。北京師範大学の周教育学部長も大変興味を示され、是非とも北京師範大学の紀要に投稿するようにとの誘いを受けた。
また、本年度より本学はユネスコスクール大学支援ネットワークに加盟し、文部科学省の委嘱を受けて宮城教育大学が主幹する各種協議会等に本学を代表して参画した。平成23年1月には、同事業の一環として文部科学省よりタイのESDおよびユネスコスクールの現状につき現地調査をするよう依頼され、調査実施の上、報告書を提出した。
2.分野別
2-1.教育?学生生活支援
(1)目標?計画
報告者は、藍住町の協力校と連携し大学院生をボランティア?ティーチャーとして派遣し、学校側からは感謝されると同時に、院生達にとっても子ども理解や教育実践能力の向上に多大な恩恵を受けている。引き続き、学校およびボランティア団体との連携協力をはかり、さらに学校のニーズに即した調査や実践研究を進めて院生の研究にも利するよう関係を強化していきたいいく。
(2)点検?評価
上述の藍住町の2つの学校に送り込んだ4名の長期履修学生達は、そのボランティア?ティーチャーとしての役割の中で教員としての教育実践力を身につけただけでなく、種々の行事や課外活動にも献身的に奉仕?参加することで各学校の教員達から高い評価を獲得した。そこで身についた教育への積極的姿勢は教員採用試験の場でも客観的に目に見える形で現れたようで、本県出身者の1人は難関の徳島県教員採用試験で現役合格し、未だ修了まで1年を残す長期履修生2年生まで大阪府の教員採用試験に正規合格したほどである。他の者達も広島県や香川県の一次には合格している。また、そうした学校でのボランティアの中で、社会学的方法論を駆使して観察調査を実施して論文をまとめ、修論の副査の委員からも内容を高く評価された。
2-2.研究
(1)目標?計画
上述の日本子ども社会学会共同研究の研究代表者として国際比較調査研究を遂行するとともに、平成19-21年度に科学研究費補助金を受けて実施してきた「地域コミュニティ参画型道徳教育実践プログラムの実効性に関する日米中比較研究」と関連研究の集大成を行っていきたい。
(2)点検?評価
先述の通り、日本子ども社会学会共同研究代表者として日本、中国、韓国において質問紙調査を実施するとともに、平成22年3月には大学院生とともに中国北京で研究に係り学校を視察し北京師範大学との研究交流集会を開催、同年9月には韓国テジョンおよびソウルで学校視察と研究交流を行った。
また、これまでの道徳教育の国際調査を集約する形で、放送大学大学院科目「道徳性形成?徳育論」でアメリカとヨーロッパの道徳教育の現状と課題をまとめ、ラジオ番組の収録を行った。この講座は、平成23年度から4年間にわたって放送大学の全国ネットに載って全国の受講者に届けられる。
2-3.大学運営
(1)目標?計画
平成22年度には、人間形成コースのコース長として、最近多様な意欲を持った学生の入学によってコースの院生の研究水準が低下している傾向に歯止めをかけていきたい。また、本学で第4回日中教師教育研究集会が開催されるにあたり、準備委員会副委員長として成功裏に終わるよう尽力していきたい。
(2)点検?評価
人間形成コースのコース長として、また一研究者としてホームページなどを通じ人間形成コースの教育内容や魅力のアピールに努めてきた。その甲斐あってか、アフリカに青年海外協力隊員として活躍している人やオーストラリアに留学している人などからも大学院に関する多くの問い合わせが寄せられ、現実に人間形成コース大学院受験者の急増につながったと思われる。
また、上述の第4回日中教師教育研究集会では、準備委員会副委員長として大会開催を成功裏に終了させた。
2-4.附属学校?社会との連携、国際交流等
(1)目標?計画
昨年、本学の外国人客員研究員として招聘した北京師範大学道徳教育研究センター長の檀傳寶教授をはじめ、北京師範大学との研究交流を実際の研究プロジェクトを通じて推進し、今後の日中教師教育研究集会の継続にも貢献していきたい。また、文部科学省の大学設置審議会専門委員などの役割を介して本学と社会との連携の一助となれば幸いである。
(2)点検?評価
本学が北京師範大学との実質的な研究交流を継続できたのも、昨年度に上述の北京師範大学道徳教育研究センター長の檀傳寶教授を本学の外国人客員研究員として招聘していた実績があったことが大きい。檀教授に続き、平成23年度に同客員研究員として北京師範大の姜副教授を招聘するための諸手続を取り持った。
また、 ユネスコスクール大学支援ネットワークの英皇娱乐_英皇娱乐官网¥下载平台担当者として、同ネットワーク加盟大学関係者との連携協力、文部科学省ユネスコ担当部局との連絡調整、ESDおよびユネスコスクールの現状についてのタイ国現地調査やタイ国政府、学校等との交流に寄与した。
3.本学への総合的貢献(特記事項)
これまで述べてきたように、報告者と北京師範大学教育学部教員達との研究を通じての実質的な研究交流が、本学と北京師範大学との堅実な大学間交流の橋渡しにもなっている。同じ事は、今後、本学がユネスコスクール大学支援ネットワークの四国における中核大学として、各種国際的な交流活動を展開していく際にも当てはまり、すでに文部科学省を通じタイを始めとする各国との交流実績を積み重ねてきているのである。